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全ての人が幸せになるテクノロジーカンパニーを目指す

株式会社VAZ
代表取締役社長 森 泰輝 取締役CTO 尾崎 颯太

略歴

■森社長株式会社VAZ 代表取締役社長 森 泰輝

1990年和歌山県生まれ。早稲田大学中退。人気ユーチューバーと企業・商品をマッチングするインフルエンサーマーケティング事業を中核とする株式会社VAZ を2015年に設立。700社以上との実績を誇る。現在は事業・サービスを拡充し、若年層女性向美容分散型メディア「Mel」、非大卒と優良企業をマッチングする就職支援サービス事業「バズキャリア」なども手がける。

■尾崎CTO

株式会社VAZ 取締役CTO 尾崎 颯太

1996年神奈川県生まれ。中学生の頃からプログラミングならびにビジネスに興味を持ち、ホームページ制作、Web広告などを請け負う。大学入学と同時にフリーのエンジニアとして本格的に始動。WEBアプリケーションや業務システムなどを構築。森社長と出会い、VAZにジョイン。同時に慶応大学総合政策学部を退学。現在のポジションはCTO。エンジニア部署のマネージャーも兼務する。

中学時代からビジネスを始める

――尾崎さんがプログラミングに興味を持つようになったのはいつ頃だったのですか。

尾崎:中学生の頃でした。ただ、単にプログラミングに興味があったわけではなく、ビジネス、お金儲けにも興味がありました。そこでhtmlからCSS、C言語やC++でのミドルウエアPro*CなどのWeb制作スキルを身につけ、実際にホームページなどを制作。制作したページに広告などを貼り付け、収入を得るようになっていきました。ブログを運営し、アフィリエイトなども行っていました。収入は徐々に増え、高校生になると一般的なサラリーマンの給料以上は稼いでいたと思います。

――中学生からビジネスをされていたとは驚きました。それほど、当時からプログラマとしての才能があったのでしょうね。そして大学生になると、ますますエンジニアとしてキャリアを磨いていったと聞いています。

尾崎:大学入学後はすぐにフリーのエンジニアとして活動をスタートしました。フルタイムでエンジニアとして活動したら、どこまでいけるのか。自分の力を試してみたかったんです。それまでは、どうしても時間の制約がありましたからね。ただ2年ほどすると、あることに気づきました。自分ひとりでやっていては、この先さらなる高みにはいけないなと。

結局、フリーのエンジニアって、ただプログラミングスキルが高いだけなんですよ。でも実際のビジネスでは、当然ですが技術力だけでは通用しません。営業、デザイン、マーケティングなど。さまざまな分野に強いメンバーが集まって、初めてヒット商品や成功が得られるからです。そのことに気づいてからは、優秀なメンバーがいそうなチームや組織、スタートアップなどへのジョインを検討していました。そうした折に出会ったのが、弊社ならびに代表の森です。

さらなる高みを目指しCTOに

株式会社VAZ 代表取締役社長 森 泰輝/取締役CTO 尾崎 颯太

 森:最初は業務委託でうちに入ってもらったんです。とにかくスキルがずば抜けていましたから。また尾崎は、何でもこなすフルスタックエンジニアでした。そのためうちに限らず、他のスタートアップや経営者からも引き手数多だったと思います。下世話な言い方をすれば、チヤホヤされていたはずです。でも彼がすごいな、と感じたのは、そのような状況にあっても、決して自分を見失っていなかったことです。

――ふつうだったら、天狗になる状況ですよね。

森:自分自身のプログラミングスキルが高いのは十分理解している。けれども、それだけではビジネスが成り立たないことも、自身の実体験も含め把握していたことに感心しました。繰り返しになりますが、技術的には申し分ない。そのうえ考え方も優れている。これは業務委託ではもったいない逸材と思い、19歳という若さでしたが、CTOとして弊社にジョインしてくれないか、と打診しました。

――CTOの中には「俺は技術しかやらない」という人も少なからずいます。森さんは、そうではない部分に惹かれたわけですね。では逆に、尾崎さんはなぜVAZならびに森さんを選ばれたのでしょう。

尾崎:先ほど、多種多様なスキルを持つメンバーでビジネスは進めていくものだと話しました。一方で、テクノロジーに関しては、自分に100%任せてもらいたいという想いがありました。そしてできる自信もありました。ところが他のスタートアップなどで話をすると、なかなかそういう状況ではなかったんです。創業者が意見を出す傾向にありましたから。まあ、組織のトップが意見するのは、至ってふつうのことだとは思うんですが……。

――でも、森社長は違ったわけですよね。

尾崎:ええ。テクノロジーに関しては、一切口出ししませんでした。というより、あまりに何も言ってこないので、「期待されていないのでは……」と、こちらが心配するほどでした(笑)。そしてこのスタンスは、当時から今に至るまで全く変わりません。

森:人に任せるのは、僕の経営スタイルの1つですからね。もちろん優秀な人だから任せるんですよ。ですから弊社における技術開発においては、基本、彼に全てを任せています。

国内最大級のインフルエンサープロダクション

――改めて、御社が手がけるサービスやコンテンツについてお聞かせください。

森:人気ユーチューバーなどを使って商品をPRする「インフルエンサーマーケティング事業」を中心に、大きく4つの事業領域でビジネスを進めています。インフルエンサーの支援・プロデュースなどを行う「エンターテイメント事業」。10代の女の子をターゲットとしたサイトやコンテンツを運営するMelの「メディア事業」。大卒キャリアはないけれども才能はある。そんな若者と企業をマッチングするバズキャリアという「就職支援サービス事業」です。

――ユーチューバーのプロモーション力は、今、とても注目されています。ただ同じようなサービスを展開するプロダクションは他にもあると思います。なぜ、御社は国内最大級に成長できたのでしょう。

森:優秀なメンバーとの出会いが大きかったように思います。そしてそのような人物が、弊社にジョインしてくれました。尾崎はもちろんその一人ですし、現在幹部を務めている他のメンバーもです。チャンネル登録者数約245万の人気ユーチューバー、ヒカルとの出会いもそうです。ただ私は人を選ぶ際に、技術や何らかの秀でた才能だけで選んでいるわけではありません。先述、尾崎の話の繰り返しになりますが、“考え方”が私と共感できるかどうか。この点においても、スキルと同じく重きを置いています。中でも私が特に意識しているのが“自己認知力”です。

――自己認知力、ですか?

森:現時点でものすごい才能や能力を持つ人であっても、自己を認知する能力が低いと、そこから先の成長は望めないと考えているからです。この手のメンバーと一緒に仕事をすると、ビジネスのフェーズが上がっていった際、厳しい言い方になりますが、ついてこれない。でも、自己認知力の高い人であれば、会社と共に成長していきますから、いつまでも一緒にビジネスを続けていくことができます。

若いエンジニアから学ぶ姿勢を持つ

――ところで尾崎さんがCTOとして、あるいは一人のエンジニアとして意識されていることはありますか。

尾崎:若いエンジニア、正確にはエンジニアというよりも実務経験もないような趣味でコーディングをしている、学生プログラマの意見や技術にもアンテナを張っていることです。エンジニアというのは年を重ねていくと、どうしてもそれまで使ってきた自分の得意な言語や技術で進めようとする傾向にありますからね。もちろん、その考え自体が間違っているとは思いませんが。

しかし技術の移り変わりが目まぐるしい昨今、これまでの技術や知見からの発展だけでは、飛躍的、爆発的なテクノロジーの成長は得られない、と考えています。また、どうしてもプロのエンジニアは、実務で使われている技術を使う傾向にありますからね。

一方、趣味でプログラミングしている学生などは、実務でどうなるかなんて気にしていません。自分が興味のある技術やコードを遊び感覚でプログラミングしたり、取り入れている。先入観がないんです。

――なるほど。イノベーションを起こすには従来の常識に捉われない発想が大事だと。実際、学生のテクノロジーを取り入れることもありそうですね。

尾崎:ええ。実務で使われていないだけで、優れた技術はありますからね。だから私は、弊社のエンジニアはもちろん、アルバイトで働くメンバーの意見や技術にまでアンテナを張っています。そうして気になる技術があったら、必ず一度自分の中で咀嚼します。試してみて、実際に使えるかどうかの検証も行います。その結果、使えると判断したら、実務に取り入れています。そうした中から、世の中のスタンダードになっていく技術もあります。

また他のエンジニアからだけでなく、技術の最新動向に関しては、常にアンテナを張ってキャッチアップするよう意識しています。

テクノロジーカンパニーを目指す

株式会社VAZ 代表取締役社長 森 泰輝/取締役CTO 尾崎 颯太2

――VAZのこれからについての考えやビジョンを聞かせてください。

森:単なる営業会社にはなりたくない、と考えています。どうしても弊社はインフルエンサーのプロダクションというビジネスモデルが中核のため、広告代理店的な捉え方をされてしまいがちですからね。実際、営業ががんばって数字が上がると、その傾向はより強くなります。

もちろん営業ががんばって売上がアップするのは嬉しいことです。ただ、その反動で尾崎をはじめとするエンジニアの居心地が悪くなるような会社には絶対にしたくないんです。また、そうなったらVAZは終わりだとも考えています。

テクノロジーがビジネスの中心にあり、そこから色々とアイデアやサービスを考えたり、進めていきたいのです。

――つまり、テクノロジーカンパニーを目指すと?

尾崎:テクノロジーカンパニーにしていこうとの考えは、森と年がら年中話していることです。また森がこのような考えを明確に持っているため、弊社ではエンジニアの価値が適切に評価されているとも感じています。ですから今、とても働きやすいです。今後はよりテクノロジーカンパニーとしてのカラーやイメージを浸透させようと、エンジニアを定期的に集めて勉強会やイベントを開催したり、弊社が培ってきたテクノロジーを外部に公開していくなどの施策を考えているところです。

――テクノロジーカンパニーとして、何か具体的なアイデアやソリューションがあればお聞きしたく存じます。

森:有名人とプロダクションの従来の関係性やビジネスモデルを刷新したいと考えています。今って、特に芸能人のプロダクションなどは、タレントさんの仕事をとってきたりサポートなどして、そのマネジメントフィーをもらう、というのが一般的ですよね。でも、このビジネスモデルだと、タレントとプロダクションに利害関係が生じ、あれこれとトラブルが生まれやすいんです。

――有名芸能人がプロダクションを移ったり、独立するといった現象ですね。

森:ええ。そこで私たちが考えているのは、これまでのサポートの一歩先です。有名人自体がビジネスを生み出すのです。そしてそのサポートを、弊社のようなプロダクションが行うと。つまり、これまでのように単に報酬をもらうのではなく、共にビジネスを生み出すパートナーになるわけです。

――有名人のブランド力を活かした事業のサポートを行っていくと。

森:ただ、歌手であり俳優であり、弊社であればユーチューバーなどは、それぞれ本業があります。また有名人が大っぴらにビジネスを進めていくと、スター性が失われてしまう。そこを我々がサポートするわけです。有名人ビジネスの黒子サポートのような事業です。

バズキャリアにも注力したいと考えています。会話術、そのほかスキルなど、非大卒の人たちは大卒人材と比べると、どうしても低い傾向にあるからです。でも、ヒカルのように、別の才能を持っているかもしれない。そこをIT講座やスクールなどで拾い上げ、育み、その人の人生をより良くしていきたい。単なる人材紹介のコンテンツではなく、人生を変えるお手伝いができるサービスに拡充していきたいのです。

尾崎:インフルエンサービジネスであれば、有名人が何かビジネスをはじめたい、と言ったときに、技術でしっかりとサポートする。バズキャリアにおいては、同コンテンツに参加する全ての人がコミュニケーションをとれるような、包括的なプラットフォームの構築などを考えています。

いずれにせよ、エンジニアもユーザーも顧客も。弊社のビジネスに携わる全ての人が幸せになるような。そのような未来ならびにビジネスを、テクノロジーの力で構築していければ、と考えています。

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