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「成長するには、とにかく楽しく開発すること」
メドピア株式会社
執行役員 CTO 福村彰展


 

Q:まず、福村さんの生い立ちからお聞かせください。

 生まれも育ちも横浜の、生粋の浜っ子です。幼少期はスポーツ少年で、物心ついた頃から水泳をやっていました。ただ、進級しすぎて年長くらいの頃に選手コースに入ってしまいったのですが、体が小さかったので記録の壁にぶつかってしまいました。それで悩んでいた時に少年サッカーチームの募集を見つけ、それからはずっとサッカーに打ち込んでいましたね。しかし中学2年生の時に足のケガと転校が重なり、そこでサッカーは辞めてしまいました。
 転校後は帰宅部になったのですが、ちょうどその頃にパソコンとの出会いがありました。親戚からPC-8801をもらい、「三国志」や「信長の野望」などのPCゲームに夢中になったのです。一応BASICで電卓のプログラミングなどにも挑戦しましたが、「電卓を使えばいいじゃん」と興味を持ちませんでした。やがてアナログ回線でインターネットができるようになりましたが、電話代が高かったのでそれほど熱も上げず、高校時代はバイトに明け暮れていましたね。バイト代を貯めてスキューバダイビングの道具を一式揃え、伊豆の海に潜ったりしていました。

Q:最初からエンジニアリングに熱中されたわけではないのですね。なぜ技術の道に進まれたのですか?

 システムエンジニアである叔父の影響が強いです。彼は大手SIerに創業期から勤めており、子どもの頃からよく仕事の話を聞かされていました。ですから、自然とこの業界に憧れを抱くようになったのです。彼が非常に気前が良かったことも、憧れた一つの動機でした(笑)

 

Q:大学卒業後はSIerでご活躍されていたそうですね。

 2004年に株式会社フジシステムズに入社し、フロントエンドWeb開発を担当していました。ちょうどAjaxが出てきて技術が大きく変わり、業界が活気づいていた頃です。
 その後は、PerlなどでWebとリアルを繋ぐことが流行り始めました。例えば、プログラム1つでピザの宅配ができるというものです。現在のO2Oの先駆けと呼べる時代だったかもしれません。

 

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Q:では、技術力の下地はどう築き上げられたのでしょうか。

 まず、フジシステムズでは、設計書などの非エンジニアリングな部分を多く学びました。技術面の研鑽を積んだのは、2006年に入社した株式会社ミクシィです。SIerは受託がメインですから、一度作ればそれきりになってしまいます。一方、自社サービスであれば作ったものを改善していけるのではないかと考えました。ベンチャーへの転職には少なからず不安はありましたが、「とりあえず行っちゃえ」とミクシィに飛び込みました(笑)
 私がミクシィで担当したのは「Find Job!」です。現在は株式会社ミクシィ・リクルートメントが同コンテンツを運営していますが、当時はミクシィの開発部内に「Find Job!」チームがありました。「mixi」も含めてエンジニアは20数名しかいなかった頃ですが、業界内でも有名なエンジニアが集まっており、とてもいい刺激になりました。特に、緊急的なバグが見つかって先輩と2人で夜通し対応したときは、彼の技術力を目の当たりにして衝撃を受けました。

 

Q:そしてメドピアに入社され、CTOに就任されたのですね。

 そうですね。メドピアでは、メディカルサービス部がメドピアのサービス全般を手がけており、開発や企画、デザイナーなどさまざまな職種の人材が集まっています。現在、エンジニアは15名程度です。ものづくりが好きな人もいれば医療業界が好きな人もおり、エンジニアのタイプはさまざまです。

 

Q:社内にはどのようなツールを導入されていますか?

 まず、コミュニケーションツールはChatWorkで、メディカルサービス部にはダブルスタンダードという形でSlackを導入したところです。新しいツールの導入は、私が提案することもあれば、現場の声を反映することもあります。例えばGitHub Enterpriseがそうですね。ソース管理にはもともとSVNを使っていたのですが、その後Gitに移行し、メンバーの意見を汲んでGitHub Enterpriseになりました。ツールによっては、開発合宿などで試してから皆で導入を検討します。
 インフラはAWSです。東京リージョンの提供が開始された頃からAWSを導入し、EC2やRDSなど一通りのサービスを使っています。成長性のある当社にとって、多くのメリットを得ています。
 言語は現在PHPでフレームワークは独自のものを採用していますが、GoやRubyも視野に入れているところです。ただ、GoはまだWebの実績が少ないですし、「これだ」と思えるフレームワークがないので悩んでいます。PHPもフレームワークの流行り廃りが早いので、継続的に事業で使っていくのは難しいかもしれません。ただ、オープンソースのフレームワークにしたいとは考えているので、今後も検討を続けていきたいです。

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Q:エンジニアの採用基準をお聞かせください。

 現在掲げているのは「一人前」です。一通りの運営ノウハウを身につけているか、あるいはその素養があるかどうかを重視しています。簡単に言うと、例えば「本気を出せばアフィリエイトで稼げる人」ですね(笑)
 そこを見極める上で、最もわかりやすいのは実績ですね。例えば実際に動くものであれば触ってみて、構成から考え方などを探ります。そうやって事前にチェックして、面接時に深く掘り下げるようにしています。
 メドピアは、いろいろな可能性が溢れている会社ですので、新しいプロジェクトを立ち上げたときに、その人に任せてどんどん活躍して欲しいです。そのため採用では、サービスをグロースさせる人材にフォーカスを当てています。

 

Q:サービスの今後の展望についてはどのようにお考えでしょうか。

 今後、日本の医療をRe-Designするために、さまざまな展開を考えています。1つは、電子カルテです。詳しくはまだ言えない部分が多いですが、電子カルテを「メディア」として再定義し、“医師と患者を救うための電子カルテ”としてRe-Designしたいと思っています。
 やはりメドピアの根底にあるのは、理念である「医師を支援して、患者を救うこと」です。そのために私個人として、いずれは取り組みたいと思っているのが、予防のための情報提供です。現在日本の医師は多忙を極め、人手不足に陥っています。そこで、ITの力で医師の診療自体をサポートすると同時に、患者の予防も支援していくことで、患者数を減らすことができればいいと考えています。
 現在の日本は国民皆保険で、「病気になったら病院に行く」という意識が根付いています。しかし海外では医療費が高く、予防をしないと大変なことになる国も少なくありません。ですから、アメリカなどではヘルスケア業界が活性化しているのです。日本は今のところ予防意識が低いですが、もっとヘルスケアが浸透すれば、人々は健康に、医師は楽になるでしょう。
弊社のエンジニア陣もそこに関心を持っており、開発合宿などで縛りをなくすとC(患者)向けのプロトタイプが出てきます。現在メドピアは医師専用サービスを提供していますが、今後はC向けのサービス開発も進めていきたいですね。

 

Q:エンジニアの成長において重要なことは何だと思いますか?

 やはり、楽しく開発することです。どうするとユーザーに影響があるかを考えながらプログラムを組み、その結果数字に変化が起きる。それを繰り返し改善していくのがエンジニアの醍醐味です。そのためにも、数値を意識しながら書くことは大事ではないでしょうか。
 成長する環境としては、自社サービスかつ小規模なチームというのが、私の経験ではキーワードだったと思います。サービスを使うユーザーの存在が近いと、自然とUXを意識するようになります。また、小規模なチームでは1人ひとりの役割が大きくなりますから、幅広い知識を身につけることができるのです。
 私の場合はミクシィで、5人ほどの「Find Job!」チームにいたことが大きかったです。マークアップ、フロントエンド全般を手がけ、楽しみながら成長することができました。その経験は、私のキャリアに大きな影響を与えてくれたと思います。

 

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Q:医療業界には固いイメージがありましたが、福村さんは本当に楽しそうに働いていらっしゃいますね。

 そうですね。実際に面接に来た方々からも、「イメージと全然違った」「もっと固いかと思っていた」という声をいただきます。メドピアの大半のメンバーは、代表の石見以外は医療とは関係のない分野から集まっています。代表の石見が医師であることもメドピアの強みですが、ITの遅れている医療分野にイノベーションを起こすには、外からの知恵を入れながら先入観なしにサービスを生み出していくことが必要です。だからこそ、メドピアにはいろんな業界・職種の人間が集まっています。医療業界の固いイメージを変えるような存在になりたいですね。
 決して堅苦しくない社風ですから、医療業界ということで足踏みしているエンジニアにもぜひ飛び込んできていただきたいです。

 

Q:ありがとうございました。最後に、エンジニアをめざす若者へのメッセージをお願いいたします。

 まずは、全体を俯瞰できる力を身につけることをおすすめします。そのための近道は、自分のサイトを作ってアクセス解析ソフトをいれて運用してみることです。そうするとPVが出ますから、PVを上げるための方法を考えるようになります。ネイティブの場合は、DL数やリクエスト数等も入ってきますね。攻略法のないゲームのようなものですから、考え方は無限にあります。
 やがてアクセス数を稼げるようなものを作れたら、そこに広告を貼れば技術がお小遣いに変わります(笑)そうやって楽しみながら、技術を磨いてみるのはひとつの方法ではないでしょうか。

 

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