最高執行責任者(Chief Executive Officer) への道のり

「1人17役」 株式会社サイカ 代表取締役COO 山田 裕嗣


 

IMG_97521略歴

 上智の文学部心理学科を卒業後、㈱セルムに入社。営業を6年経験し、新規事業開発の立ち上げに従事。その後、グリー㈱にて1年人事を担当。2012年11月より株式会社サイカに参画。2013年6月代表取締役COOに就任。

 

Q.COOまでの道のり

 大学を卒業してセルムに営業として入社しました。専門家のネットワークを活かした課題解決型のプランニングを行っており、主には人事や人材育成の課題が多かったですね。クライアントが問題を把握して専門家を見つけ、自ら解決する事は結構難しいんですよ。なのでそのサポート、提案をしていました。

 ある大手企業を担当していたのですが、1年目はまったく信頼されてませんでした。大手企業の担当はそれこそ40歳とか50歳の方もいる中でこの前まで学生だった実績も経験もない若者に仕事を任せたいと思わないじゃないですか。一番つらい時期でしたね笑

 2年目になって、少しずつ信頼を得る事ができ、お客さんの方から意見を求められるようになってきました。それからは人事に関する様々なテーマに対して以前にも増して自分の価値を出す事を意識して仕事をしていました。専門家のネットワークの中から解決策を提示するので、相手から「こういうことも出来る?」という相談をもらえるようになるほど新しい提案の機会も増えていく。わからない事があれば何冊も本を読んで提案できるレベルに持っていき、価値を提供する。企業と専門家の間にいるので価値を提供しなければいる意味ないですから必死でしたね。

 5年目の途中からは営業から事業開発室に異動になり新規事業の立上げ準備を行っていました。セルムでの新規事業プロジェクトが終わった後にグリーに入社し、中途採用を担当していました。ほんとにほんとにほんとに量をこなしました(笑)要領よくこなさないと終わらないのでいかに少ない時間で要点を押さえて実行するかを意識していました。

 グリーで1年人事を経験した後、弊社CEOの平尾に誘われてサイカへ参画しました。実は平尾とは10年以上前から知り合いでした。大学時代に予備校講師のアルバイトをしていて、そこに生徒としていたのが平尾でした。当時高校1年生だったと思います。平尾は高校の頃にプロを目指すくらい本気でバンドをやっていて、イベントにスポンサーをつけたいけどどうしたらいいかなどの相談を受けたりしてました。私が社会人になってからも、平尾が立ち上げていた学生団体を企業にしたいと思い始めた頃から、起業に向けた相談なども聞いていました。いくつか事業案がある中で一番可能性がありそうだった事業が現在の主軸事業である統計分析のサービスです。私が参画した背景としては組織と人の問題を解決する事がミッションとして想定されていました。今結果的にまったく違う仕事をしてますが(笑)

 


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Q.CEOはどんなタイプですか?理想のチームはX-MEN?

 CEOは夢を語れて、人を巻き込めるパッションが強いタイプです。統計分析の専任として現役で大学の助教をしている取締役とウェブサービスの開発と開発環境の構築を行うCTOがいます。営業はCEO、開発はCTO、統計分析は取締役。それ以外の業務はすべて担当役員として私がやっています。業務量ではなく、役割として何人分の仕事をしているか棚卸しをしたところ1人で17役もやっていました。人が全然いないので、とりあえず必要なことを自分が手を出していたらいつのまにか・・・(笑)これは良くない事だと思っていて17役もやっていると個別の仕事に目を配れないこともあれば、後回しになっている業務もたくさんあります。ただ、営業、開発、統計という得意分野がはっきりしているメンバーにはそこで力を発揮してもらった方が個人としても組織としてのパフォーマンスを最大限に発揮できるじゃないですか。

 私自身、これまでのキャリアの中で営業、事業開発、マーケティング、採用などは経験してきていますが、今やっていることの中では経験のない仕事も沢山あります。そういうところでは、完璧が100点だとしたら80点のものをとにかく早く出す、その後に改善していくといった仕事の仕方をしています。そうやって雑多な仕事をとにかく一旦doneに持っていく。セルムの時の頭の使い方とグリーの膨大な量の仕事の仕方で学んだ事が活きていると思いますね。

 前に知り合いから聞いた話なんですが、理想のチームはX-MENなんだそうです(笑)冗談のようですがこれは意外と利にかなっていて会社組織でも専門家が集まっている組織の方が強いと思うんですよね。それぞれの強み弱みを補完してチームで勝つ。X-MENもビームが出せるだけだと強敵は倒せないじゃないですか。でも飛び抜けた一芸を持っている人たちが集まれば強敵も倒せますよね。これからの時代はゼネラルになんでも出来る人の価値は薄れて行くと思ってます。私個人で言えば思いっきり逆行してますけど・・・・(笑)

 


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Q.統計を使う人の問題とは?

 

 サイカの仕事をしていて統計って結局人の問題が大きく影響してくるなぁと感じています。統計はあくまで分析だけじゃないですか。それは数字に裏付けされたロジカルな結果なので、答えは1つしか出ないはずなんですよ。けど同じ数字でもその数字を扱う人の着想とか過去の経験が大部分の所で影響してきます。正確で迅速に統計データが分析できるツールだけではなくそれを扱う人のトレーニングをしていかないといい結果は出てこないんですよ。私たちの事業は、分析をなるべく簡単にして、出来るだけユーザーが求める最適な解を導きだせるようにする事です。ツールの開発もそうですが、人の教育もとても重要な要素です。

 今はそういった思想の元で情報を発信していこうとメディアを作ったり、記事を書いたりし始めているところです。自社の媒体を作って発信していこうとプランニングしています。

 


 

Q.COOを目指す方に向けてのメッセージ

 

 セルム時代からビジネスに関する勉強はめちゃくちゃしてきた自負はありますが、実際にそれがダイレクトに仕事に役に立つ、ということは少ないですね。もちろん知らないよりは知っているに越したことはないですが。今使わないといけないスキルをいかに要点を掴んで短期間で学んで実行できるかが重要になってきます。「知っている」ということと「実際に自分で使える」ということが全くと言っていいほど別物だと言うことが身にしみて分かってきたので、広く浅いような勉強の仕方はそれほどしなくてもよかったかなと思っています。

 

 あとビジョンや成し遂げたい事をちゃんと語れて、周りを巻き込む力は重要ですね。サイカという会社が立ち上がった背景や創業の思い、世の中をどうしていきたいと思って作っているのかを伝わるように語る事で共感が生まれて仲間や投資家、クライアントの輪が広がっていきます。ベンチャーは実績もお金もないわけで、いうなれば熱意や思いしかないですよね(笑)セルムの時は対企業向けにコンサルをしていたのでどちらかというとロジカルに説明する事が多くてビジョンや成し遂げたい事を語る事はあまりなかったので今まさに学んでいるところです。ビジネスは一人ではできないので誰とやるかが本当に重要です。ビジネスチャンスがあったら進む事は進むと思いますが、思いに共感してくれる人たちと一緒にやる方が格段に早いスピードで拡大していく事ができると思います。

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