ユニコーン企業とは?社会的な価値や働く魅力について紹介します

評価額が10億ドルを超える未上場のスタートアップ企業の呼称である「ユニコーン企業」。

この記事では、ユニコーン企業の概要からユニコーン企業で働くメリットまでご紹介します。

ユニコーン企業とは?

評価額が10億ドルを超える未上場のスタートアップ企業の呼称である「ユニコーン企業」。

この記事ではユニコーン企業について下記2つの観点で解説します。

・ユニコーン企業の定義と起源

・デカコーンやヘクトコーンとの違い

まずはユニコーン企業の定義についてご紹介します。

ユニコーン企業の定義と起源

ユニコーン企業とは、下記4つの条件を満たす企業を指します。

・企業評価額が10億円ドル以上

・設立から10年以内

・非上場企業

・テクノロジー企業

これら4つの条件のうち、1つでも欠けるとユニコーン企業ではなくなります。

非上場のテクノロジー企業は日本でも多いですが、設立から10年以内に10億円ドル以上の企業評価額がつく企業は非常に稀です。

世界的に見ても稀少であることから、伝説上の生き物”ユニコーン”から名前をとり「ユニコーン企業」と名付けられました。

世界のユニコーン企業総数を調査し、ランキング化した表が以下になります。(2023年4月現在)

順位国名ユニコーン企業の数
1位アメリカ209社
2位中国150社
3位インド83社
4位イギリス49社
5位ドイツ29社
5位以下日本6社

このように、世界的にみると日本のユニコーン企業は少ないことが分かります。

デカコーンやヘクトコーンとの違い

ユニコーン企業に類似する言葉にデカコーン企業、ヘクトコーン企業があります。

デカコーン企業とは、ユニコーン企業の10倍(100億ドル)以上の企業評価額が付けられているスタートアップ、またはベンチャーです。

ヘクトコーン企業は、さらにその10倍(1000億円ドル)以上の企業評価額が付けられたスタートアップ、またはベンチャーを指します。

デカコーン企業とユニコーン企業は、ユニコーン企業と同様に「設立から10年以内」という条件があるため、世界的に見てさらに稀少な企業と言えるでしょう。

ユニコーン企業デカコーン企業ヘクトコーン企業
評価額10億ドル100億ドル1000億ドル
設立年数10年以内10年以内10年以内

日本にユニコーン企業が少ない背景

日本にユニコーン企業が少ない理由は次の通りです。

・起業文化とその影響

・ベンチャーへの投資風土の違い

・独立系ベンチャーの少なさ

詳しく見ていきましょう。

起業文化とその影響

各国の大学が共同で作成した「起業家精神指数」という起業家になるためのマインドを数値化した表によると、日本は54カ国中で最下位だったことが分かっています。

高卒・大卒に関わらず安定した企業への就職が可能な日本の環境では「起業して稼ごう」というマインドをもった人材が生まれにくいのだと考えられます。

ベンチャーへの投資風土の違い

日本はアメリカや中国に比べてベンチャーへの投資額が少ないのが特徴です。具体的に言うとアメリカでは年間6兆円、中国では年間5兆円ほどの投資が行われているのに対し、日本は年間2,000億円ほどの投資額しか行われていません。

アメリカと中国の市場は巨大であるため、特別日本の投資額が少ないわけではありません。しかし、市場の規模に大きな差があることから、アメリカや中国に比べると出資を得にくく、ユニコーン企業が生まれづらい環境であると言えるでしょう。

独立系ベンチャーの少なさ

独立系のベンチャー企業が少ないことも理由の一つに挙げられます。

実際、現在の日本を支えている産業も、大企業が事業を多角化するために興した社内ベンチャーが原型となっているケースが多いです。

独立系のベンチャー企業が少ないのは、前述した起業家精神指数の低さも要因の一つであると考えられます。

ユニコーン企業の社会的価値

ユニコーン企業は社会全体から求められています。その理由は次の通りです。

・社会課題への取り組み

・新たな雇用機会の提供

・経済成長への貢献

以下にて見ていきましょう。

社会課題への取り組み

ユニコーン企業のビジネスは、社会課題の解決につながる可能性があります。

たとえば、かつてのユニコーン企業だったメガベンチャー企業は、社会課題として掲げられている地球温暖化の改善に一躍買っています。

地球温暖化は、焼却炉でごみを燃やすことで発生する二酸化炭素により悪化し、人間だけでなく植物にも悪影響を与えることから現代でも問題視されています。

そこで、この企業は本来なら廃棄するものを個人間で手軽に売れるフリマサービスを展開し、見事日本に定着させました。

また、ごみとして燃やされるはずだったものが誰かの手に渡るため、不法投棄などの社会課題の解決にもつながっています。

このように、ユニコーン企業が世の中に与える影響は非常に大きく、社会課題の解決にもなるのです。

新たな雇用機会の提供

企業評価額が10億円を超えるユニコーン企業の事業は非常に大きいため、多くの人材を必要とします。その際に生まれる営業職や事務職などの雇用創出は、日本にとっても大きなメリットであると言えるのです。

また、上場して事業を多角化させる際は、多くの人材を雇用する必要があるため、大規模な雇用創出につながります。ユニコーン企業がたくさん誕生すれば、日本が抱える雇用問題の一助になる可能性もあるでしょう。

経済成長への貢献

ユニコーン企業の誕生は、日本の経済成長を促進させることにもつながります。

前述の通り、日本の市場ではまだまだユニコーン企業が少ないです。そんな日本でのユニコーン企業誕生は、多くの経営者や事業家にとってよい刺激になります。「自社もユニコーン企業を目指そう」と奮起する経営者も増えるでしょう。

さらに、ユニコーン企業が増えると投資家も増加するため、スタートアップやベンチャーが資金調達を行いやすくなります。

こういった好循環が起これば、日本の経済成長はさらに加速するでしょう。

ユニコーン企業で働く魅力

ユニコーン企業で働く魅力は次の通りです。

・競争力のある報酬体系

・職場での成長機会

・資産形成のチャンス(ストックオプション)

各メリットについて詳しく解説します。

競争力のある報酬体系

ユニコーン企業で働くことで年収があがる可能性もあります。ユニコーン企業は単に若い企業というだけでなく、企業評価額が高い(高い利益を生み出す可能性がある)ことから、従業員の報酬もおのずと高くなるのです。

また、従業員でも企業に投資することができ、そのリターン込みで考えると高年収も十分に目指せます。

職場での成長機会

ユニコーン企業で働くことは自己成長にもつながります。ユニコーン企業で働くことにより「事業を成長させるノウハウやマインド」「商品やサービスの作り方」などを理解できるためです。とくに、経営や事業の創出に関わりたい人にとっては大きく成長できる環境になるでしょう。

また、世界的にみても希少なユニコーン企業で働いたことがあるという経験は、ビジネスを成長させたいと考えている企業にとって需要の高い人材に該当するため、転職も有利になります。

ユニコーン企業で得た経験やノウハウを転職先で活かすことができれば、結果的に年収アップにもつながるでしょう。

資産形成のチャンス(ストックオプション)

ユニコーン企業の従業員には、ストックオプションが付与されます。ストックオプションとは、会社の取締役や従業員が、あらかじめ決められた価格で株式を取得できる権利です。

株価が上昇したタイミングでストックオプションを行使して株式を売却することで、株価が上昇した分と、権利を行使した時点での差を利益として得られます。

たとえば、1株1,000円で100株を購入した後、株価が上昇して1株5,000円になった際にストックオプションを行使したとしましょう。すると差額の40万円を利益として受け取ることが可能です。

ユニコーン企業は、一般的な企業と比べて株価の上昇幅が大きいため、非常に大きな利益を得られる可能性もあります。

ストックオプションについては「ベンチャー企業のストックオプションとは?実態や注意点を解説」で詳しく解説していますので、そちらも併せてご確認ください。

ユニコーン企業の見つけ方と入社方法

働く側のメリットも大きいユニコーン企業を探す方法は次の通りです。

・インターネットリサーチ

・転職サービスを活用する

以下では、上記2つの方法について解説します。

インターネットリサーチ

まず紹介するのは、インターネットでリサーチしてユニコーン企業を探して応募する方法です。インターネットでのリサーチは、自分のタイミングで始められるため、時間に縛られずに転職活動を進められます。

ただし、自分の目でユニコーン企業かどうかを判断するのは難しいです。また必ずしも転職先を探しているタイミングで企業が採用活動を行っているとも限りません。

ユニコーン企業は転職サイトに求人が掲載されている可能性も低く、サイト上でユニコーン企業であることを見抜く難しさもあります。したがって、「ユニコーン企業かどうかは自分でしっかりと見抜ける」「自分の好きなタイミングで転職活動をしたい」という人以外は、他の方法で探すことをおすすめします。

転職サービスを活用する

転職サービスを活用することで、自分にマッチしたユニコーン企業に出会える可能性があります。ただし、一般的な求人を扱っている転職サービスでは、ユニコーン企業の求人を扱っている可能性が低いため注意が必要です。

ユニコーン企業への転職を目指す場合は、ハイキャリア向け求人を専門的に扱っているBNGパートナーズのような転職サービスを活用しましょう。BNGパートナーズは、多くの経営層とつながっているため、ユニコーン企業のような勢いのあるベンチャー企業を探すのに向いています。

ユニコーン企業で働くことはメリットが多く、人気も高いため採用の枠が埋まりやすいです。絶好のタイミングを逃したくない人は、できるだけ早めに転職サービスへの登録を済ませておくのをおすすめします。

今後のユニコーン企業の展望

これからのユニコーン企業の展望については、以下の2点を検討することが重要です。

・世界的なトレンドとその影響

・日本のユニコーン企業の将来性

それぞれを見ていきましょう。

世界的なトレンドとその影響

ユニコーン企業は、今後もテクノロジーの急速な進展に伴い成長を続ける見込みです。特に、AI、ビッグデータ、IoT、サステナビリティに重点を置くスタートアップが注目されています。

これらの分野は、継続的なイノベーションにより経済や社会に大きな影響を及ぼすと考えられており、新たなビジネスモデルの開発や市場の拡大が期待されます。加えて、遠隔ワークやデジタルトランスフォーメーションの加速も、新しいユニコーン企業の出現に貢献しています。

日本のユニコーン企業の将来性

日本においても、ユニコーン企業の将来性は明るいと言えます。日本の強みである高度な技術力と革新的なアイデアを生かし、特にロボティクス、ヘルスケア、エコテクノロジーなどの分野でユニコーン企業が誕生する可能性があります。

政府の支援や規制緩和、国内外の投資家からの関心も増加しており、スタートアップエコシステムの発展が期待されています。しかし、グローバル市場での競争力を高めるためには、日本企業が更なるイノベーションと国際展開の加速を図ることが重要です。

まとめ

本記事では「ユニコーン企業が求められる理由」「ユニコーン企業で働くメリット」などをご紹介しました。

ユニコーン企業は、多くの人から今後の展望を楽しみにされている人気の高い企業です。ユニコーン企業に興味がある人は、まずはBNGパートナーズで相談をしてみてはいかがでしょうか?